ドラマの世界と現実のギャップ

現役の医療従事者が、医療を志すきっかけの一つに、ドラマが要因となっている事例がよくあります。
作品の中で活躍する医師やナースの姿は、格好良く見えます。

しかし、実際の仕事は、さっそうとしたクールなものばかりではないということについては知っておく必要があります。
ドラマでは、医療活動の実際のところをほとんどを省略しているため、現実とは大きく違っているもの。

例えばナースとして仕事をしていると、人間のいやな側面を垣間見ることもあります。フィクションの作品では、直接ストーリーに関わりがなければ、そのような事柄は排除されてしまうのが通例です。
ドラマに憧れて医療従事者になったものの、イメージと違っていたという人はいるはずです。しかしそれでも看護活動を続けている女性が多いのは、フィクションの世界にはない魅力を仕事を通じて得られるからでしょう。

人間関係が複雑であり、命にも関わる責任重大な業務に携わる看護の世界では、フィクションの世界にはないような、つらいことや嫌なことは色々あるはずです。しかしそれ以上に、仕事の達成感や人との交流や絆があることに気づいている人がいるのも事実です。

このようなことから、始めは思惑が違ったとしても、結果として医療の現場で続けている人は少なくありません。そのため、もし想像と違っていて看護師の仕事を転職したくなったとしても、できるだけ最初は本当の仕事の面白さを知るまで続けてみてください。
本当の看護師の仕事のやりがいを知る事がないまま、他の仕事へと転職してしまうのはもったいないことです。

これは医療業界に限らず、他の世界でもよくあることです。「ドラマや漫画の良いイメージとは違っていた」という例は少なくありません。しかし、いいことも悪いこともあるからこそ、達成感ややりがいが大きくなる、という見方もできます。
本当に自分に向いている仕事かどうかは、ある程度やってみないとわからないものです。どんな仕事でも、ひとまず最低限慣れるまで取り組んでみることをおすすめします。